『エドワード・バッチ 魂の植物 バッチの花療法への新しい洞察』は、
2008年2月にフレグランス・ジャーナル社から、手塚千史先生の翻訳で
日本に紹介されました。
原著は “Die Seelenpflanzen des Edward Bach / Neue Einsichten
in Bach-Blutentherapie”。
ドイツのシェーファー女史(Mechthild Scheffer) とシュトルル博士
(Wolf-Dieter Storl)の共著で、1991年にドイツのIRISIANA社から
出版されて、こちらも今も版を重ねています。
その本が、この4月に、また重版されました!
極めてニッチな内容で、しかもその内容は深く広い濃いので、
それを完全に理解して読めるのは著者だけでは、という、
難読書でありながら、こうして読み継がれ、愛される本になったのは、
バッチフラワーレメディという、知識も科学も必要としないけれども、
80年以上も世界で使い続けられ結果をもたらすものが存在し続けていることと、
なぜそうなのかを知りたい、考えたい、という、モノの本質に迫る思いが
使い手、読み手の中に強いからなのだ、と改めて思います。
私は、2011年からこの本の読書会をスタート、2014年くらいからは
トトラボの村上志緒さんが共催してくださることとなり、
毎月欠かさず志緒さんと、そしてその他の誰かとこの本を囲んでいます。
今回の重版にあたり、そんなに喜ばれて読まれている本なのだ、と
改めてうれしい気持ちになりました。
また、改訂箇所を随分たくさん出版社にお知らせしましたが、
それは読書会メンバーの熱心な読み方、期待が、数多くの疑問出しに
つながったことも大きいと思います。
そしてそれを翻訳に反映してくださった手塚先生に心から感謝です。
もはや、私は単なる下訳の一員、下働きだったのに、
自分が出した本のような気分です(笑)。
なので、出版秘話をば、下に。
いえ、長いので、本文はこちらまで。
以下はお時間あるときにお読みください。
*『魂の植物』と私の長ーいお話<おまけ>
私の手元にあるのは、ドイツの第3版、1995年のもの。
手に入れたのは2002年、アロマの恩師、鈴木理恵先生のお誘いに乗って
ドイツへのアロマツアーに行った先の書店でした。
当時、私はアロマセラピストになったばかりで、
ホテルのサロンでセラピストとして週1-2回勤務、
銀座のカルチャースクールでアロマの講師業もやりながら、
植物療法でもう少し資格がほしいな、
と考えて、バッチフラワーレメディの勉強を始めたころでした。
手塚先生はお忘れですが、書店でこれはいい本だから、買って帰るといいわ、
と私におっしゃられたので、ドイツの良質な精油やはちみつでパンパンの
スーツケースに、この重たーいハードカバーを詰め込んで帰りました。
(こちらが原著の表紙)
もちろん、ドイツ語なので読むわけもなく、部屋のインテリアとして
とてもステキで、時々写真を開けては学んだ気になっていました。
この本との本気のお付き合いが正式に始まったのは(恋愛?!)、
それからしばらくして、「あなた確か、本を持っていたわよね、
出版が決まったから、下訳をしてみない?」
と手塚先生からご連絡をいただいてからでした。
おお、ようやくこの本が役に立つかー、なんて気軽に開けてビックリ!
難しい!!!!
ドイツ語はもちろんのこと、植物のことは民話、文化から学術的なことまで
詳細で、さらに世界各地の神話や宗教の知識もちりばめられている。
そしてケルト文化とアントロポゾフィーについては、
専門的見地からさらにきめ細かく書き込まれている。
意外にバッチフラワーレメディについての記述は少なく、
しかも自分が学んだこととはいえ、まだ駆け出しだから発揮できるわけもなく。
引き受けてしまったので、やらないわけにはいかないけど、
下訳だし、とずるく逃げて、
なんとか納期ぎりぎり、直訳でお返しするしかありませんでした。
その後、またいろいろあって、時間が経ち、もしかして出ないのかな、と
思っていたところ、ようやく刊行されたのは2008年でした。
しかし!またびっくり。
日本語で読んでも、難しいじゃない?!!
そうしてこの本はまた、原著とならんでインテリアになりました。
でも、なんかせっかく頑張ったのに、くやしかったんでしょうね。
2006年からバッチ国際教育プログラムの講師もするようになっていたのですが、
多くの生徒さんがこの本を買って、やはり読みあぐねている、という話を
ちらほら聞いていて、ならば読書会をしようか、と思い立ったのが、
2011年10月。
ちょうど、2011年の4月から、アントロポゾフィー建築家の岩橋亜希菜先生が
毎月シュタイナーのテオゾフィー『神智学』の読書会を始められたのに参加、
そのやり方で、難しいことを少しずつゆっくり理解できるのかも、
と思えたのも大きなきっかけとなりました。
以来、毎月読み続け、最後まで行ったらまた最初に戻り、
途中2014年くらいからは、トトラボの村上志緒さんが、
トトラボとして共催したいと申し出てくださり、志緒さんの鳥の目も加わり
ますます視野を広げて読み継ぐことができるようになりました。
バッチフラワーレメディは、使い続けていることで、
体験的に知ること、理解することができます。
だから講師だろうがプラクティショナーだろうが、使い続けるのです。
そして、この本を読むことは、それを体系的に確認し、
さらに自然や宇宙の神秘に近づく入り口に誘ってくれます。
私がバッチフラワーレメディに携わり、
ライフワークとしているのには、
この本の存在なくして、ここまでではなかったかもしれない、と
いま改めて思います。
今回の改訂では、バッチフラワーレメディの基本的な知識となっている
用語の不備を修正し、コースで使われている用語に統一できたこと、
また、アントロポゾフィーに関しても、できるだけ初心者の方でも混乱を
しないように記述を変えることができました。
多少は読みやすくなったと思います。
さあ、私はと言えば、これからもこの本とともに、
ますます豊かな日々を楽しみたいと思います。
最後までお読みくださってありがとうございます。
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